【社長コラム】地方での不動産流通業
公開日:2018年06月16日
道央圏でもあえて札幌を外して店舗を展開してきた意図や、普段の業務の中で感じた地方の不動産流通業への思いを書いてみました。
価格が半分、4分の1という環境変化について
皆様こんばんは。北章宅建株式会社の坂本です。今回は当社の本業である不動産流通業と出店地域の一般に地方と呼ばれる地域を掛け合わせて思うことを書いてみたいと思います。
以前も記載しましたが、元々は札幌の地場不動産会社に5年勤務し、27歳の時に札幌の隣町の石狩市で独立しました。当時は不動産売買仲介1本で、現在のように不動産買取、賃貸物件運用、その他事業を行っておらず、取り扱う物件の価格と件数が業績において唯一と言って良いほどの重要な管理点でした。当時は札幌で行っていた営業の延長線上で車で20分の隣町に移動しただけだったとの認識でしたが、平均価格がすぐに半額になったことで大きな驚きと多少の焦りを持ちながら、業績を維持するために倍働こうと考えました。
実際、1年目は一切の休みもなく、サラリーマンだった当時の倍近く働けたことにより、何とか独立前の売上水準を維持したまま1期目の決算を終えることができました。
その後、元同僚が会社に入るということで、狭い同じ店舗で働くと争いの種になるだろうなということと、経験者2名で営業するには売買仲介1本で人口6万人の商圏はいささか心もとないなということで、隣の小樽市に出店したのが創業して2年半の頃でした。(当時はイエステーションの加盟店が札幌にもあり、札幌へは進出出来ないという制約の中で、小樽に活路を求めています)→ 会社沿革
その後、小樽市にお店を出して、すぐに分かったことは、取り扱う物件の価格がさらに半分、札幌時代の4分の1であるという事実でした。小樽市は高度成長の頃から人口減少がずっと続いており、一部の立地を除いて土地余りが起きていたという事も要因にあったのだと思います。さすがに無理をしても4倍は働けないと思い、かといって、当時はまだ創業して5年も満たない中で新規事業に希望を見出すには金融機関への信用も足りないという状況にあり、不動産流通業で活路を見出さないとという事で無い頭を使い考えました。
人口減少下でも世帯数は減らない事実。実際に地元で経済が回転しているのであれば、そこで商売が出来ないのは自社が地域に価値をを提供出来ていないのだと思います
価格が4分の1になったことにより、それまでの本業のみを行っていたのであれば、早晩経費を稼げず、良くて撤退、我慢して頑張っても経費は稼げないのですから資金不足→倒産という可能性も頭をかすめました。
そういった中で、営業していて気づいたのが、不動産に対する財産としての信頼性の違いです。札幌では不動産という財産は買主も多く、価格も維持されている中で換金性も強く、それなりに資産としての流動性も担保された中で、とりあえず不動産を購入しておく、保有しておくという動機が働きやすいのです。そして、その分売却の動機が薄いという事にもなります。
翻って小樽市では、一部の好立地(平坦地、観光地、駅近など)を除いて、価格は下落傾向、換金性も弱く、流動性は中々担保しにくいという状況が目に見えて感じ取られ、とりあえず購入しておく、保有しておくという動機が働きにくいのです。そして、その分売却の動機が強いという事にもなります。又、買わずに借りるという選択をされる方が相対的に多いという事も分かりました。
こういった地域課題から考えるお客様のニーズをくみ取れる様商品設計を自社の経営資源の範囲で、お客様に対して喜ばれるであろうエッセンスを入れたところ、思いのほか受け入れられまして、希望が見えてきたという実感が湧いてきました。又、分析して分かったことですが、小樽市の人口は1950年代のピーク時で約20万人、約60年後の2018年は12万人弱となっており、ピーク時の40%減少となっております。それに対して世帯数ですが、ピーク時は2000年前後の68,000世帯、現在は66,000世帯と人口減少下にも関わらず世帯数はそれほど減少しておりません。減少しているのは一世帯当たりの構成人員で、昔はおそらく一世帯当たり4人、今は一世帯当たりの構成人員は1.87人程度と減少しています。
世帯がそれほど減らないという事は、空家の発生も一世帯あたりの構成人員が一定ライン(私は1.5人だと考えています)を下回らない限り相対的に抑えられており、街としての規模感は人口減少ほど感じられません。又、人口減少下、高齢化により現役世代が都市部以上に相対的に減っており、人手を求める企業側としては、人余りの時代と比較して賃金引き上げのインセンティブが働きます。小樽市もそれなりに優良な働き口があるのだろうとなというのは、不動産を購入していただくお客様のご相談を受ける中で感じることの一つにもなっています。そして働き口があるという事は、そこで不動産を求める方もいらっしゃるという事になり、単純に人口が減っているから全部ダメだよねとはならないと思います。
こういったことを複合的に考えながら、その街で求められている地域ニーズに対して、不動産流通業を本業とする当社が何が出来るのかという事を考えていくと、人口減少下で不動産価格が低い地域へ出店していくという事に対して抵抗感が薄れ、より広い地域に自社のサービスを普及させたいと考えるようになりました。(必要とされる方がいらっしゃる地域、領域で自社が最大限お役立ちをしたいと考えています)
皆様の街の専門家。高品質な不動産サービスをこの街で提供します
上記の考えから少しずつお店と、対応地域を増やしてきた中で感じるのは不動産会社があまりにも少ない、そして働いている人も都市部ほど若くなく、地方ほど廃業率が高いという事実です。普通に考えれば、取扱単価の高い都市部(北海道だと札幌)や、街や地域に勢いがある所で仕事、経営をしたいというのはごく当然の認識であり、普通に抱くであろう人情だと思います。そういったところへ進出出来る若さと力があれば積極的に行くのでしょうし、もうすでに先が見えているから無理せず廃業というのも結論としては至極もっともだと感じます。
結果として、不動産資産の流動性を担保する一つの役目を担っている不動産流通業者が都市部に偏在し、地方では少ないという事実に行き当たります。又、30代の現役世代が少なく、機動力を持ってお客様に対応するという事も難しい状況である例も見受けられます。
これは地方の不動産業という特定地域、特定業種内の課題ではありますが、資産の流動性はやはりどの地域も必要とすることですし、不動産は金融、建設などへの波及や関連が強いので、流動性を担保する手段を持ちうる会社が地域にあるのと無いのとでは地域の経済にそれなりの影響を与えるのではと感じます。
こういったことから、当社の事業理念である「皆様の街の専門家。高品質な不動産サービスをこの街で」の実現へ向けて努力していくことにより、少しでも地域のお役に立てられればと考えています。
イエステーション北章宅建は、高品質な不動産サービスをこの街で提供してまいります。
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